今年の冬は暖冬と言われ、日中はとても暖かい日が続いていますが、年末夜警以来古田団員との関係はすっかり冷え切ってしまった第5分団チーフこと神戸です。
今回定例訓練でHUG(ハグ)訓練を行いました。ハグと言われ最初にイメージしたのが抱きつくハグだったのでまた古田団員と抱きついて訓練をするかと途方に暮れていましたが、全然違う内容に一安心しました。
HUG訓練とは、
H … Hinanzyo 避難所
U … Unei 運営
G … Game ゲーム
これらの頭文字をとってHUGと抱きつく意味のハグ(ここでは助け合いとか支え合う)のイメージを重ね合わせて静岡県で開発された防災ゲームです。
実際に、大規模災害が発生した時、被災範囲が広範囲であればあるほど、同時多発的に避難所が開設されます。
そうした場合、自分たちの避難所にいつ、市役所、消防署、自衛隊、ボランティアなどの支援が来てくれるか分かりません。(実際に東日本大震災では2ヶ月もの間仮設トイレが来なかった地域もあるそう…)
たくさんの人が避難してきた場合、地元消防団が避難所運営を任せられたり、協力的に運営することは十分に考えられることだと思います。
なので、第5分団が避難所を運営することを想定して訓練に取り組みました。
ゲームの内容はとてもシンプルで2種類のカード、『避難者カード』と『イベントカード』に対応していくというものです。
『避難者カード』には、その人の被災状況や健康問題、要望などが書かれています。また『イベントカード』には避難生活中に起こりそうな内容がそれぞれ書かれており、「ああでもない、こうでもない」と団員一人ひとりが考えを出し合いながら進めていきました。
体育館や校舎などを図面化し、避難者をそこに配置していくのですが、これがなかなか難しく、考えさせられることばかりでした。
高齢で持病持ちの人、被災で怪我をした人、ペットを連れてくる人、テントを持参してくる人、外国の人、観光中に被災した人など、次々とやってくる避難者やイベントの対応に追われていた団員でしたが、できるだけ細やかな配慮をどのグループも考えていました。
残念ながら時間の都合で、途中で終わってしまったのですが、一通りHUG訓練をして、実際にあり得ることばかりだったので団員たち一人ひとりが真剣に考えながら、取り組む姿が印象的でした。
最後にはグループごとで意見交流し、他グループの運営を見たり、疑問に思ったことを聞いたりして学びを深めました。
私、神戸も終わる頃には、古田団員との絆を取り戻し、同じ避難所運営をした同志として、気付いた時には彼にハグをしてしまっていました。
HUG訓練を行なってみて、消防団員である以上、知っておいて良い知識だと思いました。今回の経験や得た知識を使う機会が無いことにこしたことないですが、いざ、という時に自分が率先してやれる自信になったと思います。
私神戸の愛読書、米科学誌サイエンス・アドバンスに16日付で東京大学生産技術研究所と海上保安庁から南海トラフ地震想定震源域の沖合で、プレート境界が揺れを伴わずに動く「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象を観測したと発表がありました。ゆっくりすべりは断層を緩やかに動きひずみを解放する現象らしいですが、観測は続けて行われるそうです。
今後30年以内に起こるとされる南海トラフ地震ですが、実際に災害が起きる前にできることは、たくさんあります、その一つが考えることです。もし、こうなったら、と想像して考えるだけで自然とやるべきことも見えてくるのではないでしょうか。
私たち第5分団もいざという時に頼りになれるよう、こうした訓練を通して日々成長していきたいと思います。